ダイビング 自動車保険比較 ものくろーむりべりおん 朱・4 忍者ブログ
| Admin | Write | Comment |
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

幼少期編・第4話

完・全・捏・造!!

スザクが壊れてます。ごめんなさい!


12/30 微改訂





今、ルルーシュは何と言った・・・?


スザクの目には、何かを叫ぶルルーシュの姿が映った。
スザクの耳には、何かを叫ぶルルーシュの声が響いた。

でも、何も理解できなかった。
・・・スザクは、理解しようとしなかった。

ルルーシュに拒絶されることを恐れ、同時に、ルルーシュに受け入れられることも恐れたスザクにとって、沈黙を破ったルルーシュの声は、どこか救いのようでもあった。
だがそれは、彼が考えたどの恐怖よりも、恐ろしいものだった。



**********



―――ブリタニアをぶっ壊す・・・?

どうして、そんなことを言うんだ・・・?
ブリタニアは、ルルーシュの国なのに。
おかしいだろ、ルルーシュ。それじゃ、間違ってしまう。
日本を壊した俺と、同じになってしまう。
父親を殺すことになってしまう・・・っ!

駄目だ。そんなのは駄目だ。
お前はそんなことしちゃ駄目だ。
見ただろ?ルルーシュ。
日本人は、死んだ。たくさん死んだ。

スザクの脳裏を、つい数時間前に見た地獄のような光景がよぎった。
焼け果てた地上を覆いつくしてもまだ足りず、折り重なりあう人々。
乾いた大地に飲み込まれていく、赤い血。
わずかに動くものも、次の瞬間には只の塊に変わってしまう。

―――俺が、殺した。

―――俺が、日本を壊した!


駄目だ。
ルルーシュは間違っちゃ駄目なんだよ。
みんな不幸になる。
ルルーシュが不幸になる。

お前まで間違う必要はないだろ?
お前が不幸になるなんて、嫌だよ。

・・・罪人は俺だけでいい。
裁かれるのも、罰を受けるのも、俺だけでいい。



**********



ふらふらとスザクは立ち上がった。
何かに取り憑かれたかのように、虚ろな瞳でルルーシュを見据えながら。
そして、きつく握りしめられたルルーシュの両手に気づき、そっとその指をほどいていった。
壊れやすいものを扱うように。左手をとり、ゆっくりと。
掌にはくっきりとした爪の痕。
もとから白かった手は、まるで血が通っていないかのようになっていた。

「駄目だ。そんなのは、駄目だ・・・。」

うわ言のようにスザクは呟く。

「間違いだ。間違っちゃ駄目だ。」

こすれば赤い爪痕が消えるとでも思っているのだろうか、優しく、けれど熱心に、白い掌を撫でながら。
何度も何度も。
壊れたオルゴールのように、「駄目だ」と「間違ってる」を繰り返して―――


**********


小さな三日月の跡が全て消え去る頃、それまでされるがままになっていたルルーシュが動いた。

「・・・やめてくれ。僕は、もういいんだよ。」

震えながら未だにルルーシュの手を擦り続けるスザクを振りほどく。


「僕なんて、どうでもいい!!守りたいものさえ守れるなら、どうなってもかまわない!」


どこか呆然として、離れていったルルーシュの手を見つめるスザクの姿に、ルルーシュは胸が痛んだ。
奪われた。
奪われてしまった。
僕の友達。大切な、友達。僕の《スザク》―――


「あいつらは、僕から全て奪う!!僕の幸せは次々に壊されていく!」


乾いた空気が喉の奥へと入り込む。
痛い。痛い。
喉も、頭も、足も、心も。
目に映るのは、スザク。
手を伸ばしては、何かを恐れるかのように下を向き、力無く手を落とすスザクの姿。
・・・あぁ、奪われてしまった・・・。


「もう、何も奪わせるものか!僕はナナリーだけは守ってみせる・・・!!」


「―――・・・っ!」



**********



―――――その言葉を聞いた瞬間、スザクの動きが止まった。
小さく「駄目だ、駄目だよ」と繰り返すばかりだった口が歪み、乾いた笑いが漏れる。
異変に気づいたルルーシュは、俯いたスザクの顔を覗き込み、息をのんだ。


―――スザクが、泣いている。
―――笑いながら、泣いている。





「・・・くっ・・・ははっ。―――っ・・・俺は、お前を守るって・・・ふっ・・・く」



―――お前はナナリーを守る。そして、俺がお前を守る。
―――俺はお前を絶対に守るからな。何があっても、何をしてでも。



―――そう、言ったのにな。・・・ルルーシュ・・・。
 




PR
この記事にコメントする
                                       
NAME:
TITLE:
MAIL:
URL:
COMMENT:
PASS: Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret:管理人のみが見れる秘密コメントにする ※コメント一覧には表示されません
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする
≪ Back  │HOME│  Next ≫

[2] [4] [19] [18] [16] [10] [13] [12] [11] [9] [8]

Copyright c ものくろーむりべりおん。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By 深黒 / Template by カキゴオリ☆
忍者ブログ [PR]